変化の激しい現代において「先生って存在は必要なのか?」を問い続ける記事も3回目。
自分が先生なので、「何だかんだ先生は必要だよ!!」というバイアスまみれの情報提供ですが、今回もおもしろい情報を見つけましたのでお付き合いください。
先生という職業について数十年。
細々と経験値を重ねながらも、
担任の先生によって学習効果は変わるのか?
変わるとしたら、どれくらいなのか?
子どもの能力向上を促すのは、どのような教え方スキルなのか?
こんな疑問をもち、答えを探し求めてきました。
情報を集めるほど、悶々とする日々。
早期教育や素晴らしい先生との出会いで学力を伸ばしても、環境の変化と時間と共にその優位差は見られなくなる。
みたいな情報ばかり。
まとめると、「自分にピッタリ合った先生にずっと教えてもらう」という手法が最適ではないか?という結論に至りました。
ただ、そんな環境を選択できる人は、多くありません。
特別な環境ではなく、「公立校にできることはないのか?」と探し続けたところ、一筋の光となるような研究に行き着いたのです。
なんと、
というのです。
もっと大人な表現をすると、
とも表現されています!!
ぜひとも、稼げる能力を与えられるスーパー教師になりたい!!と思う今日このごろですが、まずは、スーパー教師とは何ぞや?というところから見ていきましょう。

経済効果2500万円の付加価値教師とは
そもそも、全教育界に希望の光を与えてくれたのは、経済学者のラジ・チェティさん。
#ラジ・チェティさんらの論文
チェティさんらの研究によると、スーパー教師は、「テストの点数だけでなく大人になっても色あせることのない非認知能力を伸ばすことができる」というのです。
人間の目的は、「幸せに生きること」ですから(きっと)、その目的を達成するためにテストの点数だけでは足りないことは様々な研究で実証されています。
むしろ、点数よりも、好奇心やコミュ力、粘り強さといった点数化できない非認知能力を伸ばすことが幸福度につながることは自明の理。
ですから、テストだけでなく+αの付加価値を提供できる教師を、スーパー教師もとい、「付加価値教師」と呼ぶことにしましょう。
そんな付加価値教師に教わった学級の子どもたちが20代になったとき、普通教師と比較して2500万円以上の経済的価値になったとか。
もちろん、ずーっと付加価値教師に教えてもらっていた訳ではありません。
教師も変われば、学級も学校も変わります。
進路もバラバラ。
だがしかし、付加価値教師の教えは、その子どもたちの中に脈々と受け継がれていたのです。
付加価値教師が優れているところって?
さて、気になるのは、付加価値教師は、どのような教え方をするのか?というところでしょう。
僕自身、ここが知りたくてずっと情報収集をしていたのですが、残念ながらスッキリ解決とはいきません。
なぜなら、「付加価値教師の教え方How to~」みたいなものは、存在しないのです。
正確に言えば、未だ研究され続けられている領域であり、今の時点では明確に「こう教えましょう!!」という具体スキルにはなっていない。
ただ、非認知能力が大切だということは、現在の令和型教育でも叫ばれ、テストの点よりも大切なことがある!!という方向へ教育界が向かっている風は確かに感じています。
でもでも、「付加価値教師がどのようなことを大切に教えていたか?」というヒントはあります。
それが、このような力。
積極性・・・自発的な質問や発言 学習への自主的な関り
向社会性・・・同級生との交流 協同作業
自己統制力・・・集中力 衝動性の抑制
意志力・・・チャレンジ精神 折れない心
付加価値教師は、日々、子どもたちと関わる中でこのような力を大切に扱い、伸ばすような場面を授業に取り入れていたのでしょう。
「確かに、これは勉強ができそうだ…」と納得の能力ばかりですが、ぼくたちにとって朗報なのは、このようなスキルは、後天的に身に付けることができるとされていること。
そう、遺伝とか才能とか、そもそもの性格特性の違いはあれど、その気になれば、伸ばすことができるのが非認知能力であり、それを上手に伸ばす土台をつくってくれるのが付加価値教師なのです。
授業場面でどのように取り入れるのか?
さて、付加価値教師が大切にしていたことが分かったところで考えたいのは、「具体的にどのようにして授業場面に取り入れていくか?」ということ。
改めて、子どもたちにつけたい力を確認しましょう。
積極性・・・自発的な質問や発言 学習への自主的な関り。
向社会性・・・同級生との交流 協同作業
自己統制力・・・集中力 衝動性の抑制
意志力・・・チャレンジ精神 折れない心
では、これら4つの非認知能力について考えていきましょう。

積極性
まずは「積極性」ですが、これは、「好奇心」と言い換えても良いでしょう。
好奇心については、こちらの記事が参考になるかと。

ただ、がっつりカリキュラム&45分制限という雁字搦め状態での好奇心ドリブンは、かなり無理ゲ―。
35人いれば35パターンの好奇心がある訳で、全教科領域をフル活用して全方位から子どもたち一人ひとりの好奇心を刺激するしかありませんねー。
向社会性
続いて「向社会性」とは、言い換えれば、「共感力」としましょう。
共感力については、こんな記事を書きました。

勉強は、基本的には個人プレー。
「いやいや、話合いは必要だ!!」という意見もありましょーが、話し合う相手が友達とかだと、結局、深まることなくいつもと同じ結論になりがち。
その友達とのパワーバランスが乱れていると、慮って相手に合わせたり、合わせられたりと、話合い本来のポテンシャルを発揮できない場合が多々あるのです。
そんな問題を解決するためにも、目的意識は超重要。
「どうしても解決したい問題がある!!」という自分オリジナルの目的意識があれば、話合いにおいて必然性が生まれますし、最終的な決断も自分自身で決めたくなるでしょう。
もちろん、授業スタイルとして「話合い」や「発表」を取り入れるのは効果的。
人間は、説明することによって「分かったつもり」とか「調べたりない」ことに気づきつつ、理解を深める生き物ですからね。
だからこそ、教材研究次点で、「子どもは、どんな目的をもって学習を進めていくのか?」という全体像や、「どんな魅力的なゴールを設定すればやる気が出るのか?」、「どこに躓いてフォローが必要なのか?」を考え、共同場面をデザインする必要がありそうです。
ちなみに、チェティさんの研究でも「数学よりも英語教師の方が経済的価値は大きくなった」と報告されています。
これは、教科特性として、英語の方がコミュ力を必要としているからなんじゃ?と考察されています。
やはり、より良い人間関係作りは、学んでおいて損はないのでしょう。
自己統制力
「自己統制力」は、「集中力」とか「レジリエンス」を含んでいるざっくりした分類ですね。
一人一台端末が一般化し、世の中には大人でさえ注意を引かれる暇つぶしコンテンツが溢れる時代。
自分のすべきことに注意を向け、さらに持続する「自己統制力」は、もしかすると、最も伸ばすことが難しく、最も子ども時代に伸ばしておきたい力なのかもしれません。
この能力については、こんな記事が参考になります。
と、思いましたが、完全大人向け。
これから追記していきます。
「集中力」に関しても、情報が薄いので、しばしお待ちを。
ただ、学習環境がかなり影響することは知られています。
よく取り上げられるのは、「スマホ」。
なんて分かっています。
そう考えると、一人一台端末の扱いも考えものですね。

意志力
「意志力」は、「やり抜く力」なんていわれます。
こんな記事が、参考になるかもしれません。

ただ、記事化しましたが、意志力一本で勝負することは、最近の科学界では見直されています。
というのも、成果が出ないのに何となくだらだら惰性で続けるのもよくない。
さらに、「根性だ!!」という昭和型精神で突っ込んでメンタルダウンするのもよくない。
最初から「諦めてもいいよ…」というのも違うと思いますが、「他にやりたいことができた」という前向きなリタイアなら、早々スイッチしても良いのかもしれません。
#SWITCH CRAFT-切り替える力-

まとめ
本記事では、子どもたちの年収にさえ影響を与える「付加価値教師」について紹介しました。
もちろん、様々な制限や自分の努力で感化できない状況もあるでしょう。
ただ、先生という職種は、これほど子どもたちの生涯に影響を与える可能性があるというのは、日ごろから意識していても損はありません。
「勉強ができる」こととか、「テストで高得点を取ること」も大切ですが、その先に待っているのは、一人の個人として生きていくその子の人生です。
人生の先輩として、またより良い伴走者として、子どもの人生における一部分を担っていきましょう。


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