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人生における人間関係ロードマップ

長く短い人生において、できれば幸せに過ごしたいもの。

ただ、どれだけ幸せを欲しても、望んでいないネガティブも発生する訳で。

さらに、どれだけ幸せを獲得したとしても、いつしか慣れが発生し、幸せを見失ってしまうこともある。

やはり、人生における幸福感は、「捉え方」に大きく左右されるのです。

そんな人生の捉え方も様々ありまして、例えば、

「年齢を重ねていく過程で発生する課題をどのように乗り越えていくか?」

という、年齢と危機の関係性でライフステージを考える捉え方。

また、年齢には関係なく、

「その人が所属する社会や文化に影響を受ける」

という、考え方も存在します。

生き方の理想象が所属コミュニティでがっつり共有されている場合、その理想通りになっていないと「理想からズレている」と思い悩んでしまう。

勉強して大企業に就職。その後は、家庭をもって…みたいなやつ。

知らず知らずのうちに根付いているのが文化とか伝統といったもの。

良い面もあれば、ちょっと恐ろしくも感じます。

いろんな捉え方があることを知ってもらったところで、本記事では、年齢でも文化でもなく「人間関係」という軸でライフステージを見ていきます。

ご自身の「今」と指標を照らし合わせ、「あぁ、こんな感じかもな。」とメタしてもよし。

普段関わっている人と照らし合わせ、その人との関係性を充実させるために使ってもよし。

無目的でさらっと読んでもよしでございます。

取り上げた4つのライフステージにおいて、どのような人間関係の課題や欲求があるのかを知っておくことに損はありません。

ぜひとも、このまま読み進めて見てくださいね。

▼人生における「人間関係」ロードマップ

ここからは、人生におけるステージをいくつかに分け、その時期がどのような状態で、どのような関りが求められるのかをまとめます。

参考にしたのは、超絶有名な研究である「ハーバード成人発達研究」。

ハーバード成人発達研究は、人々の健康と幸福を維持する要因を解き明かすという目的のもと、80年以上にも渡って個人の人生を追跡調査しているというとんでもないもの。

そのとんでもない研究が導き出したのが本当にシンプルな結果。

「健康で幸せな生活を送るには、よい人間関係が必要である」

というもの。

もちろん、運動習慣や規則正しい生活、バランスの摂れた食事、やりがいのある仕事や支えてくれる家族などなど、幸せになるための要因は諸々あるでしょう。

しかし、ハーバード成人発達研究では、「よい人間関係」を追求することが、人生における幸福度を高めるための方法であると示されたのです。

もちろん、現在も調査は進行中。

これから新しい情報が加筆されるでしょうが、幸せになりたいのであれば、人間関係の充実は必須。

ということで、人生を4つの時期に区切り、それぞれの時期でどのような人間関係が必要になるのかを見ていきましょう。

・青年期(12歳~19歳)

「思春期」と聞くと、「あの気持ちが不安定な時期ね」というイメージをもつのではないでしょうか。

「小舟」に例えられるほど、ちょっとした波風にあおられ、気持ちが揺れ動く不安定さをもった時期とされていますよね。

「いい子」でありたい気持ちはありつつも、仲間で集まると、「まさか!!」と思うようなことをしてしまう矛盾と混乱に満ちた時期でもあります。

どうやら、人間の脳は、20代でやっと完成するらしく、最後の最後になるのが前頭葉と言われる部分。

前頭葉は、車でいえば、ブレーキ機能を司っています。

ですから、青年期に生きる人は、アクセル全開で進んでいても、ブレーキが上手くかからないことがある。

だからこそ、年上の方々から見れば、危なっかしく思われるのかもしれません。

時に、「大人の助けなんかいらない!!」と主張し、親よりも友達を優先することも増えるでしょう。

ただ、強がりを受け入れ、そばにいてくれる大人の存在は欠かせません。

「お節介になりすぎることなく、困った時に手を差し伸べてくれる」

そんなロールモデルとなるような大人と良い関係性を築いた子どもの方がメリットを得られるという調査もありますからね。

大人からすると「どうして?」「理解できない!!」なんてこともありましょう。

そんな時は、リチャード・ブロムフィールドさん(アメリカの心理学者)の言葉を胸に、行動よりも、その奥に潜んでいる不安に焦点を当てて対応しましょう。

青年期の子どもは、

・導いてほしいけど、管理はしてほしくない。
・自由にさせてほしいけど、見捨ててほしくはない。
・抱きしめてほしいけど、子ども扱いはしてほしくない。

・成人期初期(20歳から40歳)

青年期の人間関係は、家族が中心となりますが、成人期に入ると、親離れをして新たな関係性を築くことになります。

多くの人は、仕事に邁進し、経済的自立を果たすと同時に、職場での人間関係や恋愛、結婚といったより親密な関係性を求めるでしょう。

自立するということは、ある意味「責任」を負うということでもあります。

青年期には”なんとなく”で選んでいた視点が、成人期には自分の人生を左右する選択であることが実感され、

・自分は何者か?
・人生においてやりたいことって何だろう?
・恋愛をしたり家族をもったりできるだろうか?

という、より本質的な疑問をもったり、不安に襲われたりすることもあるでしょう。

「仕事を頑張りすぎるがあまり、人間関係をおろそかにする」といった、いわゆるワークライフバランスの問題を抱えるかもしれません。

理想と現実を目の当たりにして諸々ストレスを感じることもあるでしょうが、こんな成人期だからこそ、人間関係の充実は、欠かせません。

職場に親友と呼べる存在がいると、年収にして数百万円の価値になるなんて研究もありますからね。

仕事というのは、生活の大部分を占め、自身のアイデンティティにもつながります。

仕事での実績によって自分を表現することも一つの方法ですが、そこにより良い人間関係という視点をもっておくことは、今後の展開に影響を与えるでしょう。

・共有した目標に向かって協働する。
・互いの失敗をフォローし合う。
・プライベートな悩みもシェアできる。

といった仲間を見つけることが、後々の幸福度アップにつながるのです。

・中年期(41歳から65歳)

他者から見ると、実績と経験値を獲得して仕事上安定しているように見える中年期。

プライベートでは、子育てから脱却し、自分の時間を優雅に楽しんでいるように見える世代でしょう。

しかし、そんな中年期真っただ中の本人からしてみれば、内面は様々な葛藤に襲われる時期でもあります。

・実績への自負はあるが、違った道もあったかな?と思う。
・仕事と家庭、どちらも大切だと思うが故、バランスに悩む。
・やりたいことを実現できたからこその停滞感。

成人期時代は、自分の未来に対して不安な気持ちがあれど、期待を原動力として進んでいく。

そんな「未来」だと思っていた時期が、現実となった中年期。

「よく頑張ってきた」と自分を認めつつも、さらに未来を意識すると、時間的、体力的限界という終わりが見えてくる。

このように「若さ」から「老い」を意識することによって、これからの人生への向き合い方が変化する転換点が中年期なのです。

そんな転換点を上手く乗りこなすには、「自分」から「他者」へと主役の意識を移すことが一つの手立てとなります。

研究の被験者でも、人生の幸福度や充実度が高い人に共通したのは、「自分のために何ができるか?」というよりは、「自分以外の世の中のために何ができるか?」と考えて行動していた人だったとか。

心理学では、「ジェネラティビティ(次世代育成能力)」なんて言われるみたいですが、自分の経験値を次世代を担う若手たちの育成に回すことで、自分自身も充実感を得ることができるのです。

成人期の働き始めでは、「職場に親友と呼べる仲間をもとう」とおすすめしましたが、中年期となれば、親友をもつことだけでなく、「良い上司」「人生における相談役」みたいな人間関係を築くことがポイントなのかもしれません。

これは、生きるヒントになりそうです。

・老年期(66歳から)

どうしても人生の終わりを意識するのが老年期。

一般的には、年を重ねるほど穏やかになってくなんて言われますが、それは、若い頃に気になって仕方がなかったことが、思い悩む必要のないことだと気づくから。

老年期になって最期を意識すると、「時間」がとても貴重に感じられることは言うまでもありません。

だからこそ、「自分は何に時間を割くべきなのか?」という問いをもって世間と関わると、ちょっとした問題に振り回されなくなるのでしょう。

その反面、日常生活に潜む小さな幸せに気づく力は研ぎ澄まされます。

人生の時間が短くなると「今」の価値が上がるというのは、若者を対象にした実験でも確かめられています。

最新技術を用い、年老いた自分の姿を見せられた若者は、先延ばし癖が改善し、面倒なんだけど長期的に見れば有益なこと(運動のような)に取り組む意識が高まったとか。

時間が短くなると「今」の価値が高まるのは必然で、若い頃は気にもとめなかった自然の美しさとか、ちょっと億劫に思っていた地域での付き合い、我が子だけではなく、他人の子どもの成長などなど。

退職を機に、地域に出てバリバリ活躍するおじいちゃん、おばあちゃんがいるでしょう。

これは、幸福度を高めるための素晴らしい戦略です。

仕事からフェードアウトすると、必然的に人間関係も縮小します。

ということは、老年期になってから新しい人間関係を構築する必要性も出る訳で、地域に出たり、趣味の集まりに参加したりすることが、充実した人生に一役買ってくれる。

体力的に活動量は減るかもしれませんが、「今」の素晴らしさに気づく完成とチャレンジ精神をもって行動することでつながった人間関係が、幸福感につながるのです。

ちなみに、長い人生ですから、後悔の念も無きにしもあらず。

ただ、人間の後悔ってほぼほぼ共通していて5つくらいに集約できるなんてことも分かっていますから、事前に後悔の種類を知り、自分の生活を振り返りながら生きるのも良いかもしれません。
👉#死ぬ瞬間の5つの後悔

▼まとめ

本記事では、人生をざっくりと4つに分けまして、「それぞれの時期にどのような人間関係が必要になるのか?」という内容を紹介しました。

日々忙しく、懸命に生きていると、ついつい人間関係を疎かにしてしまいがち。

だからこそ、時に立ち止まり、自分の人生の立ち位置について人間関係を含めて振り返ってみてくださいね。

📘参考文献
#グッド・ライフ

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