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ヤバいヤツのいなし方

教員という職種は、充実感とメンタルダウンが裏表。

「悩みは人間関係から生まれる」といわれていますから、対人100%の先生は、それだけ悩みを抱える可能性が高まるというもの。

私自身、教員の端くれとして数十年プレーヤーになり、何度もメンタルダウン寸前の崖っぷちを経験してきました。

ただ、これくらいの経験値を手に入れると、「これはヤバいヤツだ…」と防衛センサーが反応し、メンタルを守ろうと鉄壁モードに入ることができます。

しかし、鉄壁という特殊効果を持ち合わせた先生ばかりではないでしょう。

そして、メンタルを崩壊させるヤバいヤツとの出会いも一期一会。

大部分を運に左右されるので、遭遇率0%とはいきません。

だからこそ、対策しておくことが大切だと思うのです。

具体的には、

・ヤバいヤツの特徴について知る
・ヤバいヤツのヤバい戦略について知る
・ヤバいヤツから身を守る方法を知る

といった知識を獲得しておくことで、ちょっとした心構えはできるでしょう。

もちろん、知識があっても心身の苦痛は消えませんが。

ただ、知らないままぶつかるよりは、「あぁ、これが噂のヤバいヤツなのね。」と、俯瞰した対応をすることで、中核へのダメージから身を守ることができる可能性も出てくるもの。

役立つことを願って記事化しましたので、読んでみてくださいね。

ヤバいヤツ5パターン

「ヤバいヤツ」と聞いて、あなたはどんな人をイメージするでしょう。

それなりに長い時間を生きていれば、「こいつ…」という人が、一人や二人いるでしょう。

ご存じの通り、教員という職業は、「共感力」が大切な職場。

ただ、人間関係を形成すればいいってものではなく、相手の気持ちに寄り添い、多種多様な子どもたちの特性・ニーズに合わせて柔軟な支援が求められますからね。

小学校という人格形成も担う多感な時期ですから、教員という職業で必須な能力は、IQよりもEQかもしれません。

そんな感情表現豊かで共感力高めの人が集まる職種が教員だからこそ、共感能力に欠けたヤバいヤツをまともに相手にした際、心身に多大なダメージを受けてしまうのです。

と、抽象的なことを述べていてもイメージが湧かないので、心理学者のジョージ・サイモン著「#他人を支配したがる人たち」から攻撃的な5つのパーソナリティを紹介します。

①非抑制的パーソナリティ

読んで字の通り、他者への敵意を隠さないヤバいヤツ。

衝動性が高く、すぐにカッとなって暴言を吐くようなヤバさをもっているタイプです。

②疑似適合的パーソナリティ

「疑似適合」という名前がついている所以は、持ち合わせたヤバさが仕事のような自己表現の場とマッチしているため、”問題がないように見える”から。

ヤバい攻撃性はあるものの、ビジネスにおいて成功しているからこそ世間的には、「負けず嫌い」とか「やり手」といったポジティブ表現で収まっているタイプです。

ただ、直属の部下とかライバル会社だとしたら…怖いですね。

③加虐的パーソナリティ

このタイプは、単純に「人が苦しんでいる所を見るのが好き」というタイプ。

先に紹介した2つのタイプは、ヤバいとはいえ、「自分が目指している目的の邪魔になるから攻撃をする」という名目がありますが、この加虐的パーソナリティは、攻撃すること自体が目的になっているというヤバさがあります。

④略奪的パーソナリティ

サイコパスとかソシオパスと呼ばれる特性が、この略奪的パーソナリティ。

他者を痛めつけることに喜びを覚えるのはもちろんなのですが、このパーソナリティの最大の怖さは、「魅力的に見えてしまう」とこにあり。

必要に応じて攻撃性を隠し、「頼りになる」、「頭がいい」、「仕事ができる」というプラスの評価を得ながらも、内心では自らを頂点と見なし、その他の一般人は自分に搾取されて当然だと心から信じているタイプです。

⑤潜在的パーソナリティ

ここまでの4つは、攻撃性が目立つものでした。しかし、最後の潜在的パーソナリティは、攻撃が他者の目に触れにくいという特徴をもっています。

もちろん、遠慮をしている訳ではありません。

潜在的である理由は、その方が「目的達成のために都合がいい」からであり、派手な攻撃ではなくても、じわじわとゴールへ向かって着実に歩みを進めていくタイプです。

ヤバイヤツに共通する5つの特徴

ヤバさの質が違う5つのタイプを知ってもらった上で、さらに、彼らに共通する特徴をシェアします。

①勝者欲求
→勝ちにこだわり、何事も自分の思い通りにしようとする。


②権力欲求
→人の上に立ち、命令できる地位を得ることを望んでいる。


③カリスマ性
→偽りではあるが、礼儀正しく魅力的に振る舞うことができる。


④良心の変形
→善悪の判断はあるが、自分の目的を達成するためなら悪も善になる。

⑤戦略的人間関係
→人間関係を搾取する・される関係と捉え、相手の弱さを積極的に利用する。

という5つの特徴があります。

ここで気になるのは、「このようなヤバさを身に付けてしまった理由」ではないでしょうか。

サイモン先生によれば、幼少期の親との関係性が要因の一つであることが述べられていましたが、それだけではないみたい。

やはり、子ども時代に受けた教育で、学べなかったこと(能力がないからではなく)も関係があるみたい。

どのような「学び」がなかったのかというと、

・本当に必要な争いなのかどうかの判断
・譲歩したり負けを認めたりすることの価値
・意味のあるフェアな闘い方
・自己中心主義の克服
・他者の弱さの受容と自己開示

ヤバいヤツは、常に臨戦態勢であり、勝ちに拘って自分の目的を達成することだけが自分の価値を証明する手段だと思っています。

だからこそ、譲ったり、弱さを見せたりという長期的に見て人間関係を深めることに役立つ振る舞いができない。

その攻撃的なパーソナリティ故、大切なことを学習する機会さえ受け入れられなかったのでしょう。

そう考えると、残念な気もしますが、そこで共感性を働かせてしまうと、相手の思うつぼ。

悪いことは言いません。

先ほど紹介した、5つの共通特徴がちらっと感じられたのなら、すぐに距離を置くことをお勧めします。

ただ、苦痛なのは「どうしても関わらないといけない状況」になってしまった時ですよね。

そんな時に備え、対策法もまとめておきます。

ヤバいヤツの常套手段

まずは、ヤバいヤツの攻撃方法を知っておきましょう。

相手の出方を知っておくことで、対処できることもありますからね。

具体的な要注意行動を18個書き出してみました。

①矮小化
→自分がやったことを「ちょっとしたこと」と認知させようとする。 サイモン先生曰く、「少しは・・・」とか「〇〇しただけ」という言い回しを頻繁に使うようだと、この矮小化ねらいの可能性ありだそう。


②虚言

→攻撃的なパーソナリティの得意技が巧みな嘘。
・重要なことを伝えない
・事実を捻じ曲げる
・一部だけ忘れた振りをする
みたいなテクニックをさらっと使う達者な人が多く、サイモン先生も「芸術の域」と表現する位、ほぼほぼ見抜くのは不可能に近いみたい。


③否認

→明らかに悪意のこもった行為であっても、決して認めないとうのがスタンダード。どれだけ問いただしても、「私が何をしたって言うんですか?」式の否認を繰り返し、話は深まっていかないでしょう。


④選択的不注意

→相手の警告や願いを意図的に無視するテクニック。話が通じていたはずなのに、都合が悪くなると急に聞いていなかったような不注意アピールが始まります。


⑤合理化

→自身が取った不適切な行動をあたかも正義のために行ったと無理やり意味づけるテクニック。多少の良心の呵責があったとしても、「あなたのために」的なことを言いながら合理化することで、不適切行動をブーストする効果がある。


⑥話題転換

→こちらの作戦通りに事を運ばせないためによく使う手段が、話題転換と注意拡散。問題に対して正面から向き合うことを避け、肝心な部分に話を到達させない効果がある。


⑦はぐらかし

→核心をつく質問に対して曖昧な答えを返すというテクニック。サイモン先生の例として、薬物中毒患者に対するこんな質問が掲載されていました。

サイモン先生「以前、薬物乱用の診断を受けたことがありませんか?」
患者「一度、家内に連れられて病院を訪れたが、少し話をしたあとで、もう来る必要がないと言われました。」

実は、全て事実なのです。患者は、実際に病院を訪れて”薬物乱用という診断を受け”ていたのです。しかし、その後の治療には一度も通わなかったとか。肝心な部分を敢えて開示していないのですね。


⑧暗黙の威嚇

→直接的ではなく、回りくどい威嚇というテクニックもあります。就職に必要な推薦する権利を有している人が、「最近は、就職するのが厳しくなっているみたいだねぇ」と言った感じの表現をすること。第3者からすると一般的な情報でも、権利を握られている人としてはたまったもんではありません。


⑨罪悪感

→非常に王道な方法。相手の良心につけこんで不安を煽り、自分の思い通りにしようとするのです。責任感が強く、良心的、共感能力高めであればあるほど大ダメージが予想されます。


⑩羞恥心

→さり気ない皮肉やあてこすりで相手の不安をかきたてる方法。ちょっとしたミスにつけこんで、相手の自信や能力、価値観に疑問をもつよう促し、自信を喪失させて自分の思い通りにしようとする方法です。


⑪被害者ぶる

→自分の不幸をアピールし、相手の感情をかきたてて同情心を引くテクニック。温和で優しいタイプや、困っている人を放っておけないという世話好きタイプは、特に注意しましょう。


⑫犠牲者中傷

→⑪と同時に発動するテクニック。自分は被害者だとアピールしつつ、「だから自分がやってしまった攻撃は仕方ない!」と主張することで、被害者をさらに追い込んでいく方法。


⑬忠実さ演技

→「自分はあくまでも、崇高な目的を達成するために動いているだけ」という立場で自分の行動を正当化する方法。問題となる行動は、目的を達成するために必要だったと見せかけ、下心を隠蔽することができる。


⑭そそのかし

→攻撃性が高いからといって褒めることができない訳ではない。必要であれば、相手を誉めそやし、有頂天にさせることで相手の警戒心を解き、仮初の信頼や忠誠心を引き出すこともある。


⑮責任転嫁

→攻撃的なパーソナリティをもった人の特殊能力として、責任転嫁できる優しい人をかぎ分けるというものがある。ねらいを定められると、追い込まれた時に思わぬ方向から責任を押し付けられる可能性があるので注意。


⑯無実の装い

→加えた攻撃について「わざとではない」と納得させようとするシンプルなテクニック。


⑰無知・混乱の装い

→⑯と似ているが、問いただされた際に困惑した様子を装い、「しらばっくれる」ことで自分に向けられた相手の詰問の正当性をあやふやにしようとするテクニック。


⑱威嚇

→シンプルな威嚇。攻撃性というのは、人間を操る手段としては最もスタンダードなもの。恐怖を与え、自信を失わせ、無力感いっぱいにしたところで優しさを醸し出す。そうすることで、「あれ?いい人なのかも…」と思わせ、自分の思い通りにするという方法は、意外と多い。

なんとまぁ多種多様の攻撃方法。

これだけのテクニックを駆使されたら、どんなに強い気持ちで望んでも防ぎようがなさそうな気もします。

そんな心配を解消するための対処法も書き留めておきます。

ヤバいヤツのいなし方

世間は、ここで紹介したヤバいヤツばかりではないでしょう。

ただ、万が一出会ってしまった時のためにの対処法を紹介します。

①自分の性格を知っておく

ヤバいヤツは、様々な攻撃法を持っています。

もちろん、あなたがガードできるものもあれば、あなたにとって効果的なものもあるでしょう。

攻撃性パーソナリティのヤバいヤツは、あなたの弱点を探り、効果的な方法で攻めてくるに違いありません。

だからこそ、自分のウィークポイントを中心に、自分自身の性格を認知しておくことが最大の防御なのです。

#他人を支配したがる人たち」には、

・他者を信じすぎてしまっていないか?
・共感能力が高すぎるやしないか?
・自分に自信がないのではないか?
・考えすぎる傾向にないか?
・他者に依存しすぎではないか?

という自分を見つめ直すポイントが挙げられています。

このような傾向は、ヤバいヤツの格好の標的になってしまうかもしれません。

もちろん、人間関係に対して距離を置き、全ての人に対して疑ってかかる必要はありません。

先ほど紹介した、ヤバいヤツの特徴が見られた場合は、その人との距離間や自分に対する接し方を客観的に振り返り、自分のウィークポイントが狙われていないだろうか?と立ち止まって見ることが助けとなります。

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②心のエネルギーを回復しておく

説明するまでもなく、ヤバいヤツと直接対決をすれば、あなたのエネルギーは消耗するでしょう。

エネルギーと思考はつながっていますから、エネルギーが欠乏すると思考もネガティブに傾きます。

そんな状態で攻撃を受けてしまったら、対応は不可能です。

だからこそ、自分のエネルギーを常に満タンにしておくことは、攻撃を回避することにつながります。

・なんとなく自信が持てない
・何事もやる気が出ない
・いつもは楽しいことが楽しく感じられない
・全てが上手くいかないような気がする

このような兆候は、エネルギー切れの証拠。

一刻も早く気分転換(何もやりたくない時は取り敢えず寝ましょう)をしておくことが大切です。

また、エネルギー切れを感じた時に備え、「限界を知っておく」というのも大切。

「今、自分は弱気になっている。」と気づきを得た時は、「もう限界だから、一早くこの場から去らなくては!!」と判断して失礼だとしても切り上げる勇気も大切です。

③多様な作戦があることを知っておく

自分の性格を知り、エネルギーの回復方法を見出したら、次は相手の出方を認知します。

その認知の仕方にも流儀があり、

意図ではなく、行動で判断する

というのが定石。

攻撃を受ける側になるのは、良心的で共感力高めの人が多いでしょうから、「なぜ、あの人は、あんなことをするのだろう?」と、相手の目的や気持ちを理解しようとしてしまうかもしれません。

相手の気持ちを考えることは素晴らしいことですが、攻撃性パーソナリティを持った人に対しては、裏目に出る可能性が高いので注意。

できれば一刻も早く距離を取り、関係性を断ち切ることが最善なのですが、様々な理由で断絶できない時は、相手が多様な攻撃を仕掛けてくることを知っておくことが大切です。

常に分かりやすい攻撃ばかり仕掛けてくるとは限りません。

時に、反省したような態度を見せたり、「心配しているよ。」と寄り添おうとしたりすることもあるでしょう。

そのような緩急で決して心を許さぬよう、「これは、相手の作戦なんだ。」と気を引き締めましょう。

④「はっきり」とした姿勢でコミュニケーションを取る

攻撃性パーソナリティをの人とどうしても関わらなくてはならないのであれば、とにかく「はっきり」としたコミュニケーションを心がけることが大切です。

・「私は」という主語を使って具体的な要求を伝える。
・要求したことに対する明確な「YES」、「NO」を確認する。
・無理は要求は、「無理です」と伝える。

という感じ。

攻撃性パーソナリティの人は、全てにおいて自分中心に考えていますから、曖昧な状態を放置すると、相手に都合良いように解釈の元、都合の良い駒扱いされてしまうでしょう。

⑤自分の目的に集中する

最終的に大切なのは、「あなたが何を成し遂げたいのか?」ということ。

攻撃性パーソナリティの攻撃を受けたとしても、自分が成し遂げたい目的が明確であり、そのための行動がはっきりしていれば、その目的から自分の行動が逸れないようマネジメントすれば良いのです。

そのような明確な目的を持っていれば、きっと相手との目的の差分によって対立が生まれます。

だからこそ、多彩な攻撃の的となる訳ですが、そんな攻撃を受けたとしても、「譲れない部分」があれば判断基準は明確ですよね。

もちろん、あなたのウィークポイントを的確に突き、手を変え品を変え責めてくるでしょうが、あなたの目的がはっきりとしていれば大丈夫。

揺れ動くメンタルを認知しながら、常に、「自分の成し遂げたいことは何だっけ?」と振り返り、目の前のできることをコツコツこなしていきましょう。

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