「どのようにしたら考える力が育つのか?」という問題のヒントを思うがままに書いている本記事。
今回は、ヒント②の「考える集団づくり」について書いていきます。
ちなみに、前回の記事でヒントとして挙げた4つがこちら。
①興味・関心をもって関わろうとする態度の伸長(好奇心・開放性)
②「考える集団」づくり(環境・仲間づくり)
③「学びを共有する」多様な機会(メタ認知・心理的安全性)
④「できた!成長した!」を実感できる多様な機会(自己有用感)
では、集団づくりについて具体的に見ていきましょう。
「考える集団」となる雰囲気づくり(仲間づくり)
人間は社会性の生き物ですから、基本的には所属する集団の規範を受けます。
言い方を変えると「同調圧力」なんて言われますが、この圧力が思っている以上に強いのです。
線の長さを問う実験がおもしろいので、サクッと紹介します。
画面に長さの違うテープ図が表示され「どのテープが一番長いでしょう?」みたいな質問がされました。正解のテープは明らかで、間違える方が難しいような難易度のもの。しかし、実験参加者の中に混じっていたサクラが、わざと間違って回答したのです。さらに、その間違いに乗っかって別のサクラが間違い回答を後押し。すると、多くの実験参加者は、「違うのにな…」と思いながらも、サクラが激推しした間違った回答をしてしまった。
という結果となったのです。
また別の実験で、会議室の天井から煙を噴出させたものがあります。
天井にある通気口から煙が噴き出しているという明らかな非常事態にも関わらず、周囲の人が平然を装っていると、被験者も「変だな…」と思いながらも「逃げる」という選択をしなかった。
とか。
#人によって「何人が行動したら影響を受けるのか?」という人数は違っているらしい。
同調圧力の力に恐れおののくばかりですが、使い方によっては、ポジティブなこともあるのです。
例えば、三日坊主で地道な努力が続かない…なんて悩みを解決するには、「友達と一緒に取り組む」なんて方法があります。
人間は、基本的に自分に甘いのですが、他者に対してはいい格好をしたい。
だからこそ、自分との約束は簡単に破っても、友達との約束を破ると自分の三日坊主度がバレてしまうので、踏ん張りが効くのです。
簡単に使えることとして、”集中力のある人の横に座ると、自分も集中して作業に取り組むことができる”なんて研究もありますからね。
要するに、ちょっとした環境設定の工夫によってより良い姿を引き出すことができると言っても過言ではない。
授業をつくるだけでなく、学級をつくる先生たちにとって、このような不思議を知っておいて損をすることはないでしょう。
そして、うまく利用することで、ご自身の学級を「考える集団」として組織することができそうです。
簡単に取り組むことができることとして、「学級内の価値観づくり」。
・今はできなくても、努力すればできるようになる
#やればできる「マインドセット」の研究
・少し心配でもチャレンジしてみることが大切
・失敗の数だけ成長につながる
きっと、それぞれの学級で、こんな価値観を伝えているのではないでしょうか。
このようなポジティブルールを共有しつつ、日々の生活の中でどうしても出てきてしまう、「できない。」「めんどくさい。」「やりたいくない。」というネガティブの芽を根気よく摘み取っていくことがやっぱり大切なのです。
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