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「学校」の役割と「学校」にできること

『学校』の機能は様々ですが、昔も今も共通なのは「社会に出る準備をする」ということでしょう。

「準備」をもうちょっと具体化すると、

  • 生きていくために必要であろう知識・技能の獲得
  • より良い人間関係づくりの練習

こんな感じでしょうか。

そして、この2点に付け足したい力として、

考える力

いわゆる思考力は、入れておきたいですよね。

なぜなら、人間は1日に35000回選択していると言われています。(イエール大学の研究より)

1日に7時間の睡眠をとっているとしたら、1時間に約2000回、およそ2秒に1回の選択をしていることになります。

この選択をミスったらどうなると思います?

予想だにしないラッキーがあるにせよ、多くの場合、自分が望んでいない方向へ進んで行くことになる可能性が高いでしょう。

もちろん、35000回の選択を全て望ましいものにすることはできないかもしれません。

ただ、小さな選択ミスを繰り返し、「こんなはずじゃなかった。」という未来にたどり着くことは避けたいもの。

そんな未来に向かわないためにも、選択の質を上げることが大切なのです。

要するに、「しっかりと考えて選ぼうね」ということ。

そのためには、やはり「考える力」を鍛えておく必要がありそうじゃないですか。

そして、「考える力を鍛錬する機会」を年間200日以上提供しているのが「学校」なのです。

話は逸れますが、他の動物と比較して、これといった武器のない人間が食物連鎖の頂点に立つことができた理由は、やはり「考える力」なのでしょう。

半ば成長途中で産み落とすという大胆リスクを取ってまで脳を大きくしただけあり、人間のもつ脳は超絶優秀で、寝ている間さえ考えることを止めません。

そんな「考える力」の根底を築く場所こそ、小学校です。

幼児期には、好奇心を武器に、とにかく周りの世界と接触をして吸収すること。

そして、学童期には、少しずつ「自分」から「他者」へ世界を広げつつ、時にメタの視点から自分を振り返り、アイデンティティを形成していくのです。

ちなみに、アイデンティティ(性格)の約50%は、「遺伝で決まる」と言われています。

そして、残りの約50%が、家庭環境のような「共有環境」と、学校、友達関係のような「非共有環境」で決まるのです。

大切なのが、これらの割合。

どうやら、パーソナリティは「共有環境」よりも「非共有環境」の方に強い影響を受けることが分かっているのです。

思い返してみれば、小さい頃は親の言いつけを守っていた子どもであっても、ちょっと成長すると、親の言い分よりも友達と共有している価値観を優先するなんてことありますよね?

「類は友を呼ぶ」なんて言葉がありますが、パーソナリティは、「付き合う仲間の価値観」にとても強く影響を受けるのです。

ちなみに、知能面も遺伝の影響を受けますが、天才に生まれなかったからといって諦める必要はありません。

どうやら天才に勝つための方法が一つだけあり、それが、最近流行の「クリティカルシンキング(批判的思考)」なのです。

単純な考え方ですが、考える力を究極まで研ぎ澄ませれば、そんじょそこらの天才になら勝てるかもしれません。

また、「考える力」を伸ばすためには、他者との関わりが必要不可欠。

多様な他者との関わりは、新しい価値観に触れる機会を提供してくれるでしょう。

時には、意見や立場の違いから、相手を説得しなければならない状況もあり得るでしょう。

さらに、他者との関わりが、目標を達成するモチベーションとなったり、挫折から立ち直るきっかけとなったりするかもしれません。

このように、小学校で集団生活をすることで、様々な知識・技能を獲得したり、多様な価値観をもった他人と関わることで、これから待ち受ける「社会」の中で「自分らしく」とか「より良く生きる」ために必須な「考える力」を伸ばしていくことができるのです。

<学校は「社会の縮図」ではない>

「学校」の役割を考える際、「学校の縮図だから…」なんて話を出されることがあり、その度に違和感を感じていたんですよね。

学校という組織は、本当に「社会の縮図」なのか問題をちょこっとだけ考えてみましょう。

例えば、どこにでもある平凡な「むら」をイメージすると分かりやすい。

その平凡むらにある程度の文明があるのなら、きっと「仕事」という概念はあるでしょう。

「仕事」を単純に言い換えると、何かしらの価値を提供する活動ですから、「ほしい」という人がいるから「あげる」という人がいる関係性でしょう。

暮らしていくために生まれた関係性を満たすため、それぞれが「仕事」という役割を担う訳です。

ただ、仕事があれば万事解決とはいかない。

人々が集団になって生活するということは、その過程において「思い通りにならない課題」とか、「もっと、〇〇だったらいいのに」というニーズが生まれ、それらを解決しようと奮い立った人たちによって、自然発生的に新な役割を担当する人が出てくる。

人間は欲求によって突き動かされていますから、どのような状況になっても、もっともっと…と、より良くするための行動を繰り返し、平凡だった「むら」もいつしか「大都市」になるかもしれません。

さて、完全に妄想の世界観ですが、「学校」という現実に当てはめて考えて見るとどうでしょう。

やはり現在の学校というのは、自然発生的に役割が発生して、柔軟に問題解決に向かうような環境は整っていないのではないでしょうか。

まだまだ、与えられた課題を素早くこなすのがよし!というような価値観が残されている感はいなめない。

もちろん、そのような環境がよくないということではありません。

ただ、「学校は社会の縮図だ!」的な捉えから、「学校で活躍できない子どもたちは、社会の荒波に揉まれてとんでもないことになっちゃう…」という思い込みは、見当違いなのです。

ここまでくると、「考える力って、どうすれば伸びるの?」という疑問が沸いてきますよね。

そのヒントをいくつかまとめてみましたので、関連記事をどうぞ👇

「考える力」を伸ばすためのヒントを4つ紹介します。

このリンクは、ヒント①となる「興味・関心をもって関わる力」についてサクッとまとめました!!

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